搭乗待ちの乗客達(小松空港)

西暦2016年度(平成28年度)に於ける小松空港利用者数は、その前の年度に比べ約6,400人減少した。2015年度1,692,693人に対し、2016年度1,686,324人なので、0.37%の減少である。

国内線と国際線を分けて比較すると、国内線は約18,200人減少し約149万人に対し、国際線は約11,800人増加し約194,000人であった。

国際線は善戦していて過去最高の利用者数であるが、インバウンド需要(特に台湾)が大きいことが原因で日本人比率が低くバランスが悪い。このことは、将来比率の高い方が落ち込む事態が発生した場合、比率の低い方だけでは対処できなく、減便等に繋がり易いリスクを抱えている。

一方国内線は150万人を切ってしまったが、これは28年ぶりとなる。国内線の減少理由は、内訳を見れば明らかである。
羽田便が約30,800人が減少していて、それ以外の便は多少減少している便があるものの、増加している便の方が多く、羽田便を除く全ての便の合計を見ると約12,600人増加している。つまり国内線が減少しているのは羽田便が減少しているからで、その理由は羽田便が北陸新幹線と競合しているからである。

小松空港は北陸新幹線により羽田便の需要が減少していて、将来北陸新幹線が金沢より西の小松市や福井県に延びると更に羽田便の減少に繋がる可能性があるが、一方で新幹線が小松駅に停車するようになると、県外からの小松空港国際線利用者が増える可能性もある。
北陸新幹線が開業する前は小松空港の羽田便はドル箱と言われていたが、この先ドル箱に戻ることは期待できなく、今後の小松空港は国際線の更なる活性化が重要になっていくと思われる。