小松空港に格安航空会社(LCC:Low Cost Carrier)が遣って来た。対象は、小松ー台北便である。
これまでの小松ー台北便は、エバー航空により往復週5便が運航されていた。そこにLCCのタイガーエア台湾※1が参入し往復週2便(日曜日と木曜日)が運航される。両社の運航は、曜日が重複しないことから、台北便は毎日運航が実現される。
小松空港に於ける国際線定期便は台北、ソウル及び上海があり、利用者数は順調に伸びていて、上半期(4月~9月)の国際線利用者数は定期便、チャーター便を合わせて前年上半期に比べ14%も増加し、108,301人であった。特に台北便はドル箱で、上半期の定期便利用者数は、52,280人、搭乗率81.3%と好調である。この好調な需要が、タイガーエア台湾参入の要因の1つと思われる。
タイガーエア台湾は、運航日(2018年1月18日)から3月24日までを、就航記念として一部の座席を片道6,600円で販売した(通常の相場は、時期にもよるが片道1万円前後)。タイガーエア航空とエバー台北との間で既に料金競争が始まっていて、エアー航空は12月と来年1月便に於いて、朝食2回付き3日間の10,000円~19,900円(往復)のプランを発売し、通常では片道30,000円程度であり格安である。
またJRを利用して、6,600円で小松駅からどこまで行けるか見てみると、大阪や名古屋(特急で料金6,3800円)、あるいは北陸新幹線を使って東京を向かうと、長野駅(特急と新幹線で9,240円)も行けない。JRと比較すると、6,600円で台湾へ行けるのだから全く釣り合いがとれない安さである。
日本の主要空港には既にLCCが運航し満杯状態であり、今回の小松空港への運航はインバウンド需要の取込みを大いに期待できる。しかし、課題は台湾へのアウトバウンド需要がインバウンド需要に比べ非常に少なく偏っている点である。一方の需要に頼っていると、もしその需要が落ち込む事態が発生した場合に影響が大きく、減便・撤退に繋がり易い。
台湾桃園国際空港をハブ空港とする格安航空会社(LCC)である。台湾を拠点に日本、韓国及びタイなど東南アジアや北東アジアなどの主要都市へと運航を拡大している。
2013年12月に設立し、2016年12月には累計搭乗200万人に達している。日本への就航は、既に羽田、成田、関西国際(大阪)、セントレア(名古屋)、福岡、那覇、仙台、那覇、岡山、函館があり、小松空港は10番目となる。保有機材はエアバスA320(座席数180席)である。