2020年度小松空港利用者激減

2020年度の小松空港は、新型コロナウィルス禍で始まり新型コロナウィルス禍で終わった。以下、2020年度の小松空港利用状況について2019年度と比較しながら整理する。

なお、本記事で使用している矢印記号の意味は次のとおり。
 上昇: 前年度に比べ増加
 下落: 前年度に比べ減少
 横ばい: 前年度と同じ
また、本記事内の「年度」とは、国の会計年度に合わせた4月1日から翌年の3月31日までのことである。

新型コロナの現状

現状の日本は、新型コロナウィルスの変異株が全国に広がり感染者も急増している。この変異株は、ウィルス表面のスパイクタンパク質と言う部分が変異し、人間の細胞表面とより結合し易くなったため、感染力が強いと言われている。

石川県小松市に住んでいる私は日頃から注意しているものの感染リスクを身近に感じていなかった。しかし最近2つの病院でクラスタが発生し、その内の一つは6月に検査予約をしていることもあり、田舎の小松に住んでいても安心できる状況でなくなり、院内に限らず運が悪ければ感染するのかなぁと思うようになっている。また、私自身この1年間を振り返ると、間接的であるがコロナの影響を色々受けている※1
一方、石川県全体に於いては、4日連続30人以上が感染・1日当たりの過去最多人数も更新し、蔓延防止重点措置が視野に入りだした状況である。
更に、本日東京を含め4都道府県で3度目の緊急事態宣言が発令され、東京が緊急事態に入ったことにより小松空港の利用状況に多大なる影響を与えることは確実である。

私自身も収束を見せない新型コロナにより、色々影響を受けている。例えば次のとおり。
東京オリンピック
希望すれば観戦できるのかは分からないが、観戦は諦めた。観戦前にワクチン接種を受けれるのであれば前向きに検討できるが、現状況から判断して接種の見込みがないからである。当選したのは決勝のA席であり、高額の4万6千円をドブに捨てることになるのかも。
リフォーム延期
今年の春に、あるリフォームを予定していたので、つい先日まで相見積もりを取るため幾つかの業者と対面で話し合いをするつもりでいた。しかし、地元でもコロナ感染者が急増しだしているため、秋以降に延期することにした。
解約等
新型コロナによる相手方の事業悪化等による解約、契約白紙、賃料引下げ。

小松空港に於ける利用状況の変移

小松空港が新型コロナにより、便数が減りだしたのは昨年の2月で、利用者数が大きく減少しだしたのは同年3月である。従って、2019年度と2020年度の小松空港利用者数の変移が新型コロナの影響を良く表していることになる。
以下に、国内線、国際線、国際貨物及びテナントに分けて、新型コロナによる利用状況等の変移を述べる。

国内線

直近2年の国内線利用者数
便 2019年度利用者数 2020年度利用者数 前年比
羽田便 1,132,099人 281,643人 75.1% 下落
福岡 174,844人 65,882人 62.3% 下落
札幌 86,446人 5,179人 94.0% 下落
那覇 80,814人 18,438人 77.2% 下落
仙台 49,990人 7,500人 85.0% 下落
成田 35,295人 44人 99.9% 下落
チャーター 2,193人 1,221人 44.3% 下落
合計 1,561,681人 379,907人 75.7% 下落
  • 全体で、前年比75.7%下落と大きく落ち込んだ。特に成田で国際線に乗り継ぐ方が前年比99.9%下落と凄まじい。
  • 小松空港にとって特に痛手になるのはドル箱の羽田便の減少である。前年比75.1%下落であり、国内線に於ける全体減少利用者数の72%を占める。
     また、2020年度は、東京で緊急事態宣言が2度発令され、その時期の羽田便の落ち込みは対前年比で9割前後下落であり、外出を禁止する強制力のない緊急事態宣言であるが大きな影響を与えていたことが分かる。
     加えて本日、東京に於いて3度目の緊急事態宣言が発令され、小松空港にとって手痛い追い打ちとなるのは明らかだ。
  • なお、以外だったのは、GoToトラベルキャンペーン効果であった。私自身は新型コロナが終息していない状況では例え無料になっても旅行する気にもなれない。なので、昨年GoToトラベルが始まっても効果は極めて限定的になると思っていた。しかし予想以上に効果があると感じた。それは昨年10月に小松空港周辺のレンタカーの店長と話す機会があり、店長が言うには「春は酷かったがGoToトラベルが始まると前年比の2倍になった。」と言っていた。2倍はちょっと信じ難い数値だがGoToトラベルで繁盛しているとのことだった。また、GoToトラベルの実態調査によると、20代では石川県が人気5位に入っていることから、全国的に見ても効果が出易い地域のようだ。

国際線

直近2年の国際線利用者数
便 2019年度利用者数 20208年度利用者数 前年比
台北 10,7,754人 0人 100% 下落
上海 40,295人 0人 100% 下落
香港 25,464人 0人 100% 下落
ソウル 24,972人 0人 100% 下落
チャーター 9,841人 0人 100% 下落
合計 208,326人 0人 100% 下落

国際線は、昨年3月で台北便、上海便、香港便及びソウル便の全てが運休になり現在も続いているので、当然2020年度の利用者は0人である。前年と比較するまでもなく完敗である。

国際貨物

取引量は多少の減少(前年比5.5%下落の5,574トン)に留まり善戦している。輸出は減少(39.1%下落の2,179トン)したが、輸入は医療品、医療機器の需要が高まったことにより増加(46.4%上昇の3,395トン)した。

テナント

コロナ禍の空港利用者激減により、今年に入りターミナルビルの売店が2店舗撤退した。これにより空きテナント面積は全体の4割になった。